| 例えば、職人のこのトランクケースを同スケールの「ダイキャストモデルカー」に添えたらどうなるでしょう。おそらく違和感が出ますねー。モデルカーが負けてしまいます。しかしながら、ウイングローブのヒスパノスィザなら馴染むでしょう。マテリアルが如何に大事かですね。コスト面ではマスプロ品の良さはありますが、どの世界でも手作りは次元が違います。手作りは手作りの世界で! まっ、商売がらモデルカーが引合に出て恐縮ですが、ついで話しで申しますと、ウイングローブの作品は過去3回見てます。最初に見たヒスパノスィザは、あの「なんでも鑑定団」北原照久氏所有の物。これはウイングローブが30歳代のあぶらに乗ってた時代の作品で、フェンダーも梨の木、ホイールとスポークの張り線がブラス(真鍮)だったと記憶してます。とにかく作り手の念が強過ぎてか、近寄り難い印象でした。2度目に見たヒスパノスィザは、彼のエージェントのショップででしたが、ウイングローブ50歳過ぎてからの作品。素人目でも前作と比べ、集中力の衰えを見て取る事が出来ました。あくまでも比べるとである。このレベルの作品になると、「ここがちょっと!」とか、クレームを付ける人間は一人もいません。アリステア・ブルックマンやワンマンファクトリー(クラウスゴッフェルト)などなど、こういった名だたるスクラッチビルダーの後継者が絶えない事を只只祈るばかりです。
| |