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愛しのモ〜モ〜2T-G その1 店主のつぶやき。  投稿者:店主 投稿日:06.9.27 (水) 01:58  〔コメントする〕  削除

 トヨタ2000GTの2カム24バルブエンジンや、スカイラインPGC10を追い回したトヨタ1600GTの2カム16バルブエンジンはヤマハが開発したものであった。しかし営業戦略上コストにシビアにならざるえなかったトヨタは、自社製2カムエンジン1.6「2T-G」を開発した。ところがバルブを各4ではなく各2のシングルビッグバルブにしてしまったのである。結果、中回転域までがスカスカで「モ〜モ〜」、高回転域になると目が覚めた様に「グォ〜〜」てな具合に回るエンジンだった。簡単に説明すると、流速とスワール(渦)の関係になるのだが、例えて言うと、アイスコーヒーを細いストローとマックシェイク用の太いストローで飲み比べれば良く解る。細いストローは吸引力もいるが、流速は早い。太いストローはいっぺんに飲めてむせてしまうが流速は遅い。次に細いストローを2本にしてみると流速を変えずに2倍飲める。これが4バルブや5バルブの原理だ。つまり流速を早めて燃焼室内のスワールを安定させる事によって、低回転から高回転まで効率良くパワーを引き出せるっつぅ〜わけ。常識かっ! しかしこの2T-Gを積んだトレノ(TE27)は当時爆発的に人気があった。そこらじゅうモ〜モ〜サウンドを響かせて走っていた。学生の頃、友人とダートラの練習に福島のエビスサーキットによく足を運んだ。その日も先客があって、モ〜グォ〜グォ〜と山並みに2T-Gサウンドが響いていた。親子で来ていたらしく、5歳ぐらいの男の子が1人ポツンとお父さんの走り(TE27)を眺めていたので、こちらも近くでしばらく走りを眺める事にした。ちょうど最終コーナーから立上がる場所だったが、ギャラリーを意識したのか、ペースがだんだん上がってきていたので悪い予感がした。2T-Gは重くTE27の重心を高くしていたのである。一般道でもコーナーを曲がりきれずインリフトして田んぼに落ちたTE27を見た事があった。それをここで目の当たりにする事になってしまった。最終コーナーを曲がろうとした瞬間、TE27はゴロンゴロンと転がってしまったのである。ギャラリー全員で「せーの」で起こしましたが、子供が駆け寄って「お父さん、ど〜やって帰るの?」の連発だった。その後我々もコースに入り練習走行したものの、「お父さん、ど〜やって帰るの?」が、頭から離れなくなり、早々に切り上げて帰ってしまった。


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